2012.10.11
日本のお米が好き。
だから成澤さんに会いに行ってきました。
左が店長・三浦。
成澤さんファミリーとパチリ。
中央が成澤之男さんです。
無肥料自然栽培のお米農家、成澤之男(なりさわゆきお)さん。
当店でも販売中のお米(ササニシキ)を栽培されている、宮城県登米市南方町の農家さんです。
ニッポンの伝統的主食、コメ。
巷では、コメ離れが進んでいると耳にします。
当店でも、お米の売上が確かに少しずつ減ってきていました。
店長三浦は、これじゃあイカン!と思ったわけです。
まだまだ、お客様への伝え方が足りなかったと、大いに反省し、
新米収穫作業でお忙しい中、2012年10月11日に現地へ行ってまいりました。
一面に広がる、成澤さんの田んぼ。
ん〜、気持ちいい。
成澤さんは、農薬を使用しないということはもちろん、有機肥料すら使用しない「無肥料自然栽培」に切り替え始めて7年目になります。
(※無肥料自然栽培については、別にあらためます。)
2011年の東日本大震災では、甚大な被害を受けられました。
経営的に、とてつもなく大きいダメージです。
それでも前を向き、自然栽培による美味しいお米作りに心血を注がれています。
成澤さんは、稲のことを「お稲様」と呼ばれます。
お稲様の立場に立ち、お稲様との対話を通し、お稲様にとって快適な生育環境をつくりだすことに惜しみなく手間ひまをかけられています。
「実るほど、頭を垂れる稲穂かな」。こちらの頭が下がります。
光り輝く「お稲様」。
目の前にすると、自然と「感謝」の気持ちになるのです。
乾燥後、もみがついた状態の玄米。
一面に広がる、成澤さんの田んぼ。
ん〜、気持ちいい。
30Kg袋を「1体」と呼びます。
この袋詰め作業をちょっぴりお手伝い。
あれれ、、、うまく結べずに、もたつく店長三浦。
修業が足りませんね。
何を食べるか、何にお金を使うかは、ひとりひとりが選択できます。
だからこそ、その「選択」の意味を、今一度考えていただきたいのです。
そもそも、お米の消費量が減り続けています。
もちろん、選択は自由です。
パンもパスタも、大いに楽しみましょう。
店長・三浦も、適度に楽しんでいます。
でも、です。
楽しむ一方で、忘れてはいけないことがあります。
パンやパスタの原料の小麦は、大部分が海外からの輸入です。
つまり、小麦製品を食することで、使ったお金の一部を海外に落としていることになります。
(外交問題も大切ではありますが)
お米は、日本の主食です。
日本が不景気だ、と落ち込む前に、我々ひとりひとりにできることが少しでもあるのです。
だからこそ、まずは「お米」を選択することの意義を、今一度見直していただきたいのです。
そして次に、「どんなお米を選択するか」について、よく考えていただきたいのです。
我々ひとりひとりの選択の積み重ねが、未来を創るのです。
農薬や肥料に頼らずに育てられるお米の価格は、
一般市場価格に比較して「高い」と感じるかもしれません。
でも、本当にそうでしょうか。
仮に、5kgで5000円のお米だとしても、茶碗1杯分に換算すると、わずか75円です。
(茶碗1杯は、1/2合=75gとして換算)
例えば、ペットボトル入りのお茶や水は、100円〜150円しますよね。
多くの人が、気軽に消費しています。
そう考えると、茶碗1杯75円はむしろ安いと思うのですがいかがでしょうか。
一方、もし5kgで1500円のお米を選択するとしたら、
1杯あたり22.5円ですからその差は52.5円です。
この、1杯あたり約50円の差を、我々日本人ひとりひとりがどう感じるか、です。
「農薬や肥料に頼らずに栽培された、生命力あふれる美味しいお米」を選択することで、
生産者や農地の健康をも保障することができ、
なにより美味しいお米を毎日いただくことができるのです。
永続可能な農地と素晴らしい日本の食文化を、未来へつなぐことができるのです。
今回現地を訪問し、お稲様に触れ、成澤さんご一家に触れ、
これはお伝えしなければ、と思いを強くしました。
一口にお米農家さんといっても、無数にあります。
実際に現地を訪れ、お会いしたからこそお伝えしたいこと。
このお米には、生命力が、あふれています。
成澤さんと成澤さんご一家の「想い」がつまっています。
また成澤さんをはじめ、ファミリーのみなさまのお人柄が素晴らしいのです。
「誰が」作ったお米なのか。
この「誰が」の部分を、これからも大切にしたいと改めて感じました。
お客様に熱くお伝えしたくなる、そういうお米です。
成澤さんのお米を、ぜひ一度食べていただきたい。
地域のお米品評会で、連年最優秀賞を受賞し、
全国レベルでも上位のお米ですから、美味しさも折り紙つきです。
みなさん、もっとお米を食べようではありませんか。
そしてどんなお米を選択するか、「誰の」お米を選択するか、今一度考えていただきたいのです。
あなたの「選択」が、永続可能な農と日本の食文化を未来へつなぐ、一歩となります。
最後に、成澤さんからのメッセージを以下に記します。
私たちの住む宮城県登米市は、日本一のJAS有機米の生産地と言われており、昔から米作りが盛んな農村地帯でした。
私の生まれ育った家もそんな地域のしがない農家で、今となっては家業を継いだことになるわけですが、実は好きで農家を継いだわけではありません。
なぜならば若き日の私は、実家を飛び出して自分でトラックを持ち、運び屋をやっていたからです。
一日の睡眠時間が2時間〜4時間ほどと肉体的にはかなりの重労働でしたが、水揚げも一千万以上と申し分なく、なんといってもやりがいのある仕事でした。
そんな私が、なぜ家業を継いで米作りを始め、そして無肥料自然栽培に取り組むようになったのか?
きっかけは、地元の稲作が盛んだったからでもなく、高値で売れるからでもありませんでした。
子供が生まれたら川の字になって寝ることが夢だった私に、長女ができたのは私が29歳の年でした。
この娘が小さなときにはまだトラックの仕事をしており、家へ帰れるのは多くても一ヶ月に4回程ひと晩寝に帰るだけで、一度も帰れない月もありました。
「帰るよ」と電話をすると何時になっても床につかずに私を待っていて、コタツで寝てしまって布団に運ばれてもすぐに目を覚まして戻ってくる・・・を繰り返し(笑)、朝方になろうとも、私が無事家に着くまで必ず茶の間で待っていてくれる娘でした。
そんな娘が3歳になったころ、アトピー性皮膚炎を発症したのです。
この出来事をきっかけに、私は子供たちの為に食の安全について考えるようになり、のちに専業農家へと転身することになったのでした。
その後は、決してスムーズではありませんでしたが、実際に作物と向き合って試行錯誤を繰り返し、また本当に数多くの方々に出会い、お話を伺うなかでたくさんの感銘を受け、有機JAS米、無肥料自然栽培米へと進むこととなりました。
まだまだ未熟者ではございますが、これからも子供のために、身体が悪くて困っている方のために、そして今は健康体だと思っている方にも将来健康を害して困ることが無いように、皆様によりよい生産物をお届けすべく精進して参ります。
先生方、諸先輩方と、お付き合いいただいている企業の皆さまのご協力を賜りながら、作物に対して目一杯の思いやりと愛情を持って接し、目一杯の努力を持って生育の手助けをしていきたいと考えておりますので、皆さまどうぞ宜しくお願い致します。
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